Connaissance de base du chocolatショコラの基礎知識

 ショコラとチョコレート 

ショコラとはフランス語でいうチョコレートのこと。近年、日本では海外の有名ショップが多数上陸し、新しいジャンルともいうべき「ショコラ市場」が誕生しました。

ヨーロッパをはじめとする世界的なショコラティエによって作られた洗練されたチョコレートは従来のチョコレートと区別され、日本でもいつしか「ショコラ」と呼ばれるようになり、今では単なるフランス語読みというだけでなく、新しいジャンルとしても定着しています。

 ショコラの歴史 

ショコラの原料であるカカオは、紀元前2000年頃からメソアメリカ(メキシコ南部からホンジュラス辺りの中米地域)で栽培され、神への捧げ物、年貢、あるいは通貨の代わりとしても使われていた貴重な農産物でした。

当時のショコラは一般的には食べ物ではなく、すりつぶしてトウガラシやトウモロコシをまぜた、甘味のないスパイシーな飲み物として愛飲されていたとか。このショコラの飲み物が、1521年にアステカ帝国を征服したスペイン人エルナン・コルテスによってヨーロッパに紹介され、ヨーロッパ人の嗜好にあった甘い飲み物になって広まっていきます。

19世紀に入るとオランダ人のバンホーテンによりココアプレス(搾油)技術が発明され、1847年に英国の菓子職人により初めて食べるチョコレートが誕生します。その後、1876年にはミルクをブレンドしたミルクチョコレートがスイスで考案され、現在のショコラの原形が出来上がりました。

 カカオの話 

■ショコラの主原料、カカオ豆

ショコラの原料と言えば、まずはカカオ豆です。カカオの樹の学名は「テオブロマ・カカオ」と言い、ギリシャ語で「神様の食べ物」を意味する樹木です。
カカオ豆はカカオポッドと呼ばれるラグビーボールのような形をした色とりどりの実の中にある種子のことで、ひとつの実に20~50粒ほど入っています。

カカオの樹は北緯20度から南緯20度までの栽培適地、いわゆるカカオベルトと呼ばれる高温多湿の熱帯地域でしか育ちません。生産国は世界で約50か国ありますが、コートジボワール、ガーナ、インドネシア、エクアドル、カメルーン、ナイジェリア、ブラジルの7か国で世界の総生産の約90%*近くを占めています。
*国際ココア機関(ICCO)カカオ統計2016/17第2刊 日本チョコレート・ココア協会HPより
*国際ココア機関(ICCO)カカオ統計2017/18第2刊より

収穫したカカオポッドからカカオ豆を取り出し、発酵・乾燥を行い、チョコレート工場へ出荷されます。それぞれのチョコレート工場ではまずカカオ豆を焙煎し、粉砕して種皮などを取り除き、胚乳部であるカカオニブを取り出します。カカオニブはローラーなどをかけることによってすりつぶされペースト状になります。これがカカオマスと呼ばれるものです。


■奇跡の油脂分、ココアバター

カカオニブからペースト状のカカオマスを作る工程を「摩砕(まさい)」といいます。カカオマスは常温では固形ですが、体温程度の温度になると溶ける性質があります。この特性はカカオマスに「ココアバター」という油脂が55%程度含まれているためです。

ココアバターは常温では固まっていますが、約28℃くらいから溶け始め33~35℃で完全に溶けてしまいます。体温近くで溶ける性質を持った植物性油脂はココアバター以外になく、ショコラを口に入れたときのなめらかな口どけに大いに関係することになります。

カカオマスは、いわゆるカカオ100%のショコラです。このカカオマスはココアバターの独特の性質を持ちショコラには欠かせない魅力を有しているものの、カカオマスのままではポリフェノールやテオブロミンなどの苦み成分や発酵過程で生成される酢酸や乳酸などの酸味が強く残ったままです。チョコレートメーカーは製造工程の中で、砂糖、粉乳、乳化剤、香料などを加えた後、コンチングというじっくりと練り上げる工程によって風味を完成させます。工程の最後には複雑な特徴を持ったカカオバターの結晶をテンパリングという温度調整を行うことで安定させ、艶やかな見た目や滑らかでおいしいショコラを誕生させることになります。

 ショコラの原料 

ショコラの主原料がカカオ豆といっても、おいしさを広げるのは砂糖、乳製品、レシチン、香料といったカカオ豆以外の原料です。

砂糖は16世紀のヨーロッパで加えられるようになりました。意外なのはショコラの甘さは砂糖の量ではないこと。スイートもビターも砂糖の量はほぼ変わらず、違いを生むのはカカオマスの量であることが多いのです。

砂糖以外では、ミルク味やホワイトに使用される粉乳、天然の乳化剤であるレシチン、
バニラをはじめとする香料などがあります。

ちなみに、原材料で「カカオ分60%」といった表示がありますが、これは例えばカカオマス45%、ココアバター15%の合計を指します(正確にはカカオマス中の水分を除いた重量の割合)。残り40%は砂糖や添加物、ということになります。

 ショコラと健康 

食べ過ぎると鼻血が出る、ニキビができる、太る、虫歯になるといった諸説があるショコラですが、いずれも栄養価が高い、思春期女子の支持が高い、ココアバターの脂肪酸の特性など、つまりはおいしさがために誤解されることが多いようですが、じつは主成分であるカカオに含まれる天然ポリフェノールにさまざまな働きがあることがわかってきました。

ポリフェノールはショコラだけでなく、赤ワインやお茶などにも含まれ、老化や生活習慣病などの病気の原因といわれている活性酸素を抑制する作用があるといわれています。ショコラの原料であるカカオには、赤ワインやお茶以上のカカオ・ポリフェノールが含まれていることがわかっています。動脈硬化やガン、ストレスといった精神の病、アレルギーなどを改善する働きがあると考えられ、研究結果や報告が存在します。

またショコラではありませんが、同じカカオを原料とするココアが多くの胃の疾患の原因とされるピロリ菌を抑える効果がある、さらには創傷治癒促進効果なども期待されています。

 ショコラとマリアージュ 

ショコラの楽しみ方のひとつとして関心が高まっているマリアージュ。本来は「結婚」という意味ですが、食事や飲み物についてはお互いを引き立てる組み合わせや相性のことで、料理とお酒、調味料やデザートなどと同様に、ショコラについてもそのものだけでは出会えなかった新しい味わいや奥行きを楽しむことができます。

例えば、シンプルな軽めの味わいのショコラと繊細なフレーバーティー、コクのあるダークなショコラとエスプレッソ、ナッツやフルーツを使ったショコラとニューワールド系のワインなど、質感や素材、香りなどをいろいろと挑戦してみましょう。

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